お題

ピアノ・コンサート

君のピアノ　僕は大好きだった
優しくて　甘くて　時に激しい

素敵な音楽だった

けれど君の腕はもう無い
もう音の出ないピアノ

それだけが残されて

死のうとした君が生きていたのは嬉しい
けれど君は腕を無くして生きていけるとは思わない

だって君は　腕が壊れただけで死のうとしたのだから

ピアノに触ることすら出来ない自分の体を見て
君はまた死のうとするだろう

僕はそれを目を逸らさずに見つめるから

君の最後のコンサートを見逃したりしない
君が奏でるピアノが愛しいという思いを聞き逃したりしない

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