お題

家族

知らなかったんだ　僕は
父さんがあんなことをしていたなんて

知っていたの　私は
旦那がしていたことを

僕は無知だった
私は目を背けた

無知という罪、目を背けるという罪

それは大きな傷を作った

娘は泣いた
泣くたびに父親は喜んだ

娘は泣いた
父と母と兄の前で全てを話した

娘は泣いた
そして家から走り去る

娘は走る
決して止まらない足
それは固い決意の証

娘は柵を乗り越える
娘は涙を流してさよならと言った

娘の足が　コンクリートから離れた

知らなかったんだ僕は
父さんが妹に無理矢理していたことなんて

知っていたの私は
でも家庭を壊したくなくて黙っていたの

娘は死んだ
兄は自分を責める
母は自分を責める

罪は一生　消えない

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