poem
血と涙
血の代わりに涙を流した
血が流れなかったから同じ体の液体を流した
それが幼い子供だった私に出来た
唯一の自衛の方法だった
心が壊れないように
血を流して
血を流せない時は涙を流した
血は赤くて汚い色だったけど
涙は透明で色さえなかったけど
どちらも同じだけ汚さを持っていたんだ
そして私はそれを流す事で綺麗になれると信じていた
幼い子供だったから
今は 知っている
どれだけ血を流しても
どれだけ涙を流しても
もう私は綺麗になどなれないことを
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