poem
かさぶた
赤く色づいたかさぶたを撫でて
ほっと安堵の息を吐く
触れた部分から
小さな痛みがぴりぴりと伝って
かさぶたを剥ぎたい衝動に駆られるのだ
痛みが心地よくて
痛みを忘れたくなくて
私は今日もかさぶたを剥ぐ
細く赤いかさぶたに爪を立てて
剥いだ傷痕から血が滲んで
それにすら私は安堵を感じるんだ
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