poem

階段

ただ普通に歩いていただけなのに
いつのまにか足を踏み外して

身体が浮いた一瞬の後に
僕は階段を転げ落ちた

身体のあちこちをぶつけて
やっと止まったと思ったら

痣や傷だらけの身体では起き上がることすらままならなくて

頭を打ったのか思考はぼやついて
どこか霧のかかったような

歩く事すら出来ず ただそこにうずくまるだけ

やっと頭の霧が晴れ
思考が再開すると

傷の痛さを思い出し

僕は永遠に階段を上ることが叶わなかった

ただ一人 底にうずくまって―――

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